この記事はこんな方におススメ!
・タイプーサムがどんなお祭りなのか知りたい
・タイプーサム当日の混雑状況が知りたい
・来年行こうか迷っている
・子連れなので行きたいけど諦めようと思っている
ヒンドゥー教の奇祭「タイプーサム」当日、2023年2月5日(日)にバトゥ洞窟に行ってきました!
滞在時間はたったの45分!
短いと思いますか?
でも子連れだし諦めようと思っていた私にとっては45分でも十分有難い時間でした。
現場の様子はもちろん、子連れだった私たちはどうやってバトゥ洞窟にたどり着いたのか等をご紹介したいと思います。
- タイプーサムとは?
- 儀式について
- 2023年のタイプーサムは30万人予想!?
- タイプーサム当日のバトゥ洞窟までのアクセス方法
- 自家用車で行く場合のコツ
- バトゥ洞窟到着
- バトゥ洞窟内で見たすべて
- バトゥ洞窟の敷地内のお店
- 当日子連れで行ってみて…
- まとめ
タイプーサムとは?
タイプーサムとはヒンドゥー教、特にタミル人のお祭りです。
南インドやスリランカの北部東部に住む民族。
タミル人の移民先としてはマレーシアの他に、ミャンマー、シンガポール、アフリカ東部・南部、モーリシャス、フィジー、イギリス、アメリカ合衆国があり総人口は7000万人を超える。※Wikipediaから引用
そしてこのタイプーサムの祭りが開催されるのは、インド系の中でもタミル人が多く住むとされているマレーシアとそのお隣のシンガポールのみです。
え?ヒンドゥー教と言えばインドじゃないの?とお思いでしょうが、なんと本場のインドではこのお祭りの内容があまりにも過激であるため開催が禁止されています。
「奇祭」と呼ばれる所以は目次「バトゥ洞窟内のすべて」で写真と共にご紹介します。
苦手な方はスキップしてください。
ちなみにこのタイプーサムの語源はヒンドゥー暦の月の名前の「タイ」とタミル語の星の名前の「プーサム」から来ています。
儀式について
外国人や観光客はタイプーサムの当日にその様子を見ようと押しかけますが、ヒンドゥー教徒の儀式を伴う準備は1か月前から始まります。
まずタイプーサムに向けて断食や禁欲、またベジタリアンフードのみを摂取する生活により体を清めます。
そしてタイプーサム前日深夜24時頃からKLのチャイナタウン近郊にあるスリ・マハ・マリアマン寺院からヒンドゥー教の神様ムルガンの巨像が祀られているバトゥ洞窟まで夜通し行進します。
それだけでもなかなかハードですが、中には体や顔に針やフック等を刺した状態で行進している人もいます。(ひえー!!)
神への強い忠誠心を表すためには自己犠牲もいとわない、ヒンドゥー教の教えからくるもののようです。
また「自己の感性を研ぎ澄ませる」という意味合いもあるようです。
「より厳しい苦行」を行っているのは男性が多く見受けられますが、女性や子供もミルクポット等重いものを担いで行進。
そしてそんな極限状態の中、最終目的地であるバトゥ洞窟内にある寺院に到着するまでにはカラフルで有名な272段の階段を上りきらなければなりません。
2023年のタイプーサムは30万人予想!?
ずっと前から行くつもりではあったのですが、実は直前になって行こうか迷い始めてました。
なぜならタイプーサムの連休が近づくにつれ、
①バトゥ洞窟周辺が車両通行止めになる
②お祭りに合わせてマレーシアの鉄道会社がBatu Cave駅と繋がる2路線にて24時間運航をする
③当日バトゥ洞窟に向かう人の見込みが30万人以上
という情報を拾い始めたためです。
極めつけはこの光景。
これは子連れ無理やろ…!!!!
ちょっと心が折れて思わずツイッターで呟きました。
明日バトゥ洞窟行ってみたいな、って思ってるんやけどやっぱ子連れはキツイかな…🥺最悪1人で行く…??
— ちーたろう🇲🇾ブログやってます (@chitaromalaysia) February 4, 2023
行こうか迷ってる人いますか?🥺
特に女性!!
それに反応してくださったフォロワーさんからのコメントの一部を紹介。
私も一昨年くらいに行こうかなって思ったら、すさまじい混雑と匂いがすごいから絶対勧めないって行ったことある方に言われて行くの止めました😂
— mon (@tehtariksuki2) February 5, 2023
行った後悔よりも行かなかった後悔の方がずーと残るとおもいます🥺
— ぽんぽこ🇲🇾 (@letspompoko) February 4, 2023
(でも私のこの意見は1人で動く前提なので、お子さんとかいたらちょっと危ないのかもしれないですね🥺)
悩みながらもとりあえず向かってみて、渋滞や人の多さで危険を感じたら途中でも引き上げてこよう!何事もトライだ!ということで「行く」で決定!!
ちなみに決まったのは前日の23時とギリギリ。笑
タイプーサム当日のバトゥ洞窟までのアクセス方法
クライマックスを迎えるバトゥ洞窟までの行き方は大きく3つあります。
①電車
最寄りのBatu Cave駅から徒歩5分でバトゥ洞窟に到着するので、安さや時間を考えても一番お気軽な方法です。
ただ私たちはモントキアラ在住で駅が最寄りにないということで却下。
お近くに駅がある人は電車がオススメです!
②Grab
バトゥ洞窟周辺の駐車スペース等が全く未知で、しかも調べても全然情報が出てこなかったので最初はGrabで向かおうと思っていました。
ただ前日に行った人の話ではなかなかドライバーが捕まらないということだったので当日はさらに大変そうだと思いこれも却下となりました。
帰りたいのに帰れない…疲れたと泣きぐずる子ども…まさに地獄絵図。
時間に余裕がある人、また友達と乗り合いで行きたい、という人にはGrabがオススメです!
③自家用車
これが一番情報が少なかった…。
Google Mapで前日にバトゥ洞窟周辺をチェックしてみると渋滞を表す血の色をした道路で囲われていました。
バトゥ洞窟の目の前の道路は中央分離帯になっていますし、迂回できそうな道は悉く通行止めになっているので一度渋滞に突っ込んでしまうと耐えるしかありません。
私たちは結局この未知な自家用車という手段で行ってみました!
自家用車で行く場合のコツ
①目的地はマクドナルド!!
渋滞が発生しているのはバトゥ洞窟の西方面からなのでその渋滞を避けるべく東側に位置するマクドナルドをまず目指しましょう。
どこから来るかにもよりますが、この一帯は中央分離帯があるのでよっぽどのことがない限りWaze等のナビアプリはマクドナルドのさらに東側からのルートで到着するようになると思います。
ちなみにバトゥ洞窟の門から見た西側の光景。
通過するだけの車のための車線(右側)とバトゥ洞窟でドロップオフしたい車や路駐の車でごった返している車線(左側)とで分かれていました。
あの坂の向こうは一体どれだけ渋滞しているのか…
②路駐できるところを探す
マクドナルド辺りに来ると朝9時前の時点であちこちで路駐をしている車が見受けられました。
逆にこれだけ路駐している人がいたら同じように停めても紛れる!!と内心喜ぶ私。笑
私たちは結果マクドナルドを過ぎてすぐ左折ワンブロック先をまた左折してすぐの辺りで路駐に成功しました。
駐車してそこから徒歩でバトゥ洞窟に向かったのですが、もう少し近場を攻めてもよかったかも!?というぐらい9時前の時点ではまだちらほらと駐車できそうなスペースが空いていたので皆さん是非挑戦してみてください。
近づきすぎて駐車スペースが無い!ってなった場合、中央分離帯のせいで引き戻してくるのがかなり難しい地形になっているので攻めすぎ注意です!
来年来るときはここに停めたいなと思った場所がこちら。
堂々と停めていられるししかも駐車スペースが無くてもショップロット内をぐるぐるしていたら見つかりそうだし、無くても諦めて出てくることもしやすい!!!
下記お店の周辺です。
朝早いからか、それともそもそもタイプーサムで休んでいるお店が多いからかショップロットなのに全然車が停まっていませんでした。
もう一つは高架下。
こちらももう少しバトゥ洞窟側まで攻めてもまだちらほら空いているスペースがありました!
歩いていると一応有料の駐車スペースが設けられているのも確認。
場所は確かこのお店の近くだったと思います。
こちらはバトゥ洞窟の西側からアプローチしないと辿り着けない道路北側にあるお店。
渋滞を耐えてここまで来るのは現実的ではないかな、と個人的に思いました。
時間帯にもよるとは思いますが、意外に駐車スペースには困らなかったので自家用車にして正解だったな、と思います!
最後になりますが「路駐」なので自己責任で行ってくださいましね。
バトゥ洞窟到着
ちょうど左奥の方から行進する集団が到着しようとしていて大興奮!!!
近づくとちょうど門を通る瞬間で大混雑。
ここが一番危なかったです。
山車を追いかけるように同じ歩幅で歩きたい人と、ただ早くバトゥ洞窟内に入りたい人でごった返してました。
※左側通行になっていて片側の出口はちゃんと確保されていてそちらは空いていました!
後で調べてみると、ヒンドゥーにとって「平和」や「幸福」を表す色のようです。
そういや数日前にブリックフィールズに行った際にも黄色の服がいつも以上に売り出されていました!
バトゥ洞窟内で見たすべて
入口が一番混雑していましたが、カバディの集団と集団の間は結構空いているので入るタイミングを待てば安全です。
仏像や花、孔雀の羽などで飾り付けられた神輿のようなもの。
この神輿を支える支柱が主に行進する人の腰に繋がっているが、苦行を通じてより強い信仰心を表すためにその支柱が背中や顔に伸びている人も多く見られる。
やはりこのカバディを背負った人を一目見たくて人が集結するので、なかなか写真に収めるのが難しい。
カバディの前後には、同じく行進する人々が。
ミルクポットを担いでいる方の中には坊主にして髪を黄色く色づけている人もいました。
重さと痛みに耐えながら夜通し行進してきた人の中にはトランス状態になり、その場で踊り始める人もいます。
また痛みと辛さから解放される瞬間があるのでしょうか。
笑顔で行進する人もいました。
その反対にその痛みと辛さがにじみ出ている人もいます。
それもそのはず、私が滞在した9時台は晴天で朝にも関わらず気温が高かった…!
おまけに階段付近はクライマックスが近いからかトランス状態に入り踊りだす人が続出、
またその先の階段を上る人たちのペースダウンの影響かなかなか前に進まないのでより大変そう。
そんな時に垣間見れたのがカバディを囲うサポーターの人達。
見ている限り家族や親族のようでした。
行進が止まった時にすかさず差し出される椅子、暑さを和らげるために水を飲ませたりしてあげる人、カバディのバランスがずれていないかチェックする人等、家族の連携プレーがすごかったです!
中でも胸が熱くなったのがこの瞬間。
集中力と精神力が途切れないようにずっと横で声をかけ続けていました。
先ほども書いたように行進の歩みはすごくゆっくりで止まっている時間も長いので、自分たちが前か後ろに移動しないと次のカバディ集団は見れません。
ただ先に進みたくても階段の真下で踊る人やそれを見る人ですごく人だかりで子連れでは突入できませんでした。
当日は観光客はとてもじゃないけど階段は上れないとアドバイスを頂いていましたが本当にその通りでした。
ましてや子どもを抱っこして上るには危険過ぎたので地上で行進する人を見て終了となりました。
なので階段の様子やその先の洞窟内の寺院までの道のりの様子はご紹介できません。
前日に行った人の話だと、前日の方がまだ空いていてヒンドゥー教徒以外の人も上れる余地があったみたいでした!
来年は是非階段も上ってみたい…!!!
バトゥ洞窟の敷地内のお店
行進する道の両脇にはお店がずらりと並んでいました!
主に階段に向かう側の道の端には神棚のような家具が販売されていたり。
また司会席のようなブースも。
出口に向かう側には食べ物屋さんが多く並んでいました。
当日子連れで行ってみて…
写真を見てお分かりでしょうが、ベビーカーは絶対無理です。
あくまでも主観ですが子連れで危険だと思ったポイントがこちら。
①カメラ軍団
行進する人々の目指す場所は一方向ですし、行進の歩みもゆっくりなので近づきすぎなければ巻き込まれるということはありません。
一番怖いのがカメラ軍団。
今やシンガポールとマレーシアでしか行われていないこの貴重な祭りを見ようと世界各国から観光客が来ていて、しかもとてもガチなカメラマンも多いです。
カバディを担ぐ人たちを写真に収めようと、行進する人たちの周りを動き回ります。
貴重な瞬間を逃さまいと熱が入るんでしょう、私も写真撮るのが好きなので気持ちも分かりますがレンズを覗いたまま動こうとする人もいるので、
危機察知能力がまだ低い子どもはその動きに巻き込まれて倒されたり踏まれたりするかもしれないな、と思いました。
②床に散らばるビーサン
バトゥ洞窟の中はやたらとビーサンが落ちていました。
ヒンドゥー教徒の人々が寺院に入るときは裸足になります。
またこのタイプーサムの行進では出発地から裸足で行進してくる人もいるのですが、途中で脱ぐ人がいるってことなのでしょうか。
分かりませんが、足元が見えづらい中子どもが踏んだり引っかかったりして転ぶ可能性があるな、と思いました。
そんな訳で私は終始娘を抱っこした状態で乗り切りました。
行進する人々を見てると力が漲ってくるのか敷地内にいる間は全然疲れを感じなかったから不思議。
まぁ翌日は娘を抱え込んでいた左腕に激痛が走り使い物にならなくなってましたけどね笑
こう考えると抱っこしてても親が耐えられる重みの子ども、つまり0-2歳ぐらいの子連れの方がむしろ行きやすいのでは!?と思いました。
※子の個性や性格にもよります
うちの子は抱っこ大好きなので、抱っこさえしていれば結構大人しくしてくれていました。
むしろ好奇心が勝りさらに行動力がある3-4歳の方がある意味危険なのかも、と思いました。
感覚的に5-6歳ぐらいになると周りがよく見えて避けたりできるのかな…。
まとめ
冒頭にも書いたように結局バトゥ洞窟敷地内にいたのは45分程度。
あまりにも天気が良すぎて娘の熱中症の心配もあり早々と退散しました。
よって滞在中に見たカバディを背負った人は4人ほど。
今回行ってみて思ったのは目的によって行く日や時間帯を変えた方がいい、ということ。
階段も上りたい→前日あるいは子無し参戦
長時間いたい→明け方の涼しい時間
今回何よりも暑さに負けて退散を早めたところがあるので、明け方ぐらいに行ければもっとよかったなーと思いました!
正直行く前は目を逸らしたくなるような光景なのかな、と考えていましたが実際に目の当たりにすると痛々しいとか怖いとかいう感情はどこへやら。
鳴り響く爆音と人々の熱気の中心には信仰の深さとそれを支える家族愛があり、しっかりと見届けたいという気持ちでいっぱいになりました。
階段のその先や他のカバディも見たいという気持ちがなかったかと言えば嘘になりますが、同じタイミングで到着した彼らとその家族や親族の掛け合いを可能な限り見守るというのも貴重な体験だったと感じています。
そしてこうやってブログを書きながら改めて振り返ると、そもそも今こうやってマレーシアに住めていること自体にも感謝の気持ちが溢れて仕方がありません。
真面目な締めくくりになりましたが、今年のタイプーサムの様子が気になっていた方、来年のタイプーサムを見に行こうか迷っている方の参考になれば嬉しいです!
ちなみに2024年のタイプーサムは1月25日(木)です!!!
ここまでの長文読んでくださってありがとうございました!
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